自動車エンジンオイルの粘度指数の見方と選び方!温度や燃費との関係は?
自動車のメンテナンスにおいて、エンジンオイルの交換は必須です。
しかし、ほとんどのユーザーはエンジンオイルの交換時に何を選んだら良いのか分かりません。
そのため、ディーラーや整備工場がすすめるエンジンオイルに交換しているというのが現状だと思います。
多くの場合、それで問題ありません。
ただし、車の用途などによって異なってきますので、エンジンオイルについて基本的なことは知っておいた方が良いでしょう。
今回は、エンジンオイルの粘度に関していくつか紹介します。
粘度というのは、どれだけネバネバしているのか、サラサラしているのかを表す数値です。
この粘度の見方や、粘度と温度の関係、粘度と燃費の関係について説明していきます。
自動車エンジンオイルの粘度指数の見方
自動車エンジンオイルの粘度指数の見方に関して紹介します。
一般的にエンジンオイルの粘度はSAE規格と呼ばれる指標で表されます。
※SAESociety of Automotive Engineers(アメリカ自動車技術協会)
例えば、以下のような表記です。
「-(ハイフン)」の左側が低温時の粘度を示し、右側が高温時の粘度を示します。
このようにエンジンオイルの粘度は、低温時の粘度と高温時の粘度が示されます。
SAE規格には、低温時の粘度が6段階、高温時の粘度が5段階あります。
低温時の粘度を示す「W」はWinterの頭文字です。
↓低温時の粘度と使用環境の関係
0W:エンジン始動時の外気温-30℃~
5W:エンジン始動時の外気温-25℃~
10W:エンジン始動時の外気温-20℃~
15W:エンジン始動時の外気温-15℃~
20W:エンジン始動時の外気温-10℃~
上記のように、数字が小さくなるにつれて低温で固まりにくくなります。
また、高温時は数字が大きいほどエンジンオイルが固くなります。
数字が小さい方がサラサラなオイルで、数字た大きい方がネバネバなオイルというイメージです。
一般的に以下のように使用されています。
コンパクトカー・小排気量の車:0W-20、5W-20
エンジンオイルの粘度と温度の関係 | 粘度指標とは?
ここまで紹介したSAE規格のことを粘度指標と呼ぶことも多いのですが、実際は粘度指標というのはSAE規格とは異なります。
エンジンオイルは温度が上がると必ず粘度が下がりますが、
粘度指標はエンジンオイルが温度によってどのくらい粘度が変化するのか、その度合いを示した数値です。
変化量を見るポイントは、40℃と100℃の時の粘度です。
以下のグラフのように粘度指数が小さい方が、温度によって粘度が変化する幅が大きくなります。
粘度指数が小さい:40℃と100℃の粘度差が大きい
粘度指数が大きい:40℃と100℃の粘度差が小さい
エンジンオイルの粘度と燃費との関係
基本的な考え方として、エンジンオイルの粘度が低くなれば燃費は良くなります。
ただし、燃費向上率としては1割の効果もありません。
それよりも、あまりに粘度が低いエンジンオイルを使用すると、エンジンの寿命が短くなってしまう可能性があります。
ただ、そのようなエンジンオイルにディーラーなどは交換するはずはないので問題ないと思いますが。
なぜエンジンの寿命が短くなる可能性があるのかは次に紹介します。
エンジンオイルの粘度の選び方
自動車のエンジンオイルの粘度の選び方ですが、基本的にはメーカーの推奨する粘度を選択します。
省燃費エンジンオイルは基本的に粘度の低いエンジンオイルのことを言います。
粘度が低いということはサラサラというイメージです。
エンジンオイルがサラサラ過ぎると、摩耗防止のための潤滑剤の機能を果たすことができなくなってしまいます。
多くの場合はそれほど心配することはないのですが、絶対に燃費が上がらないと困るという状況以外は粘度を下げることはおすすめしません。
逆に粘度を上げる方を選択するのは有りかと思います。
基本はメーカーが推奨する粘度です。
しかし、この推奨している粘度はエンジンが新品の状態です。
エンジン内部の部品は新品と比較し、車を使用していると必ずエンジン内部の部品が摩耗しています。
つまり、新品時よりも必ず摺動部のクリアランス(隙間)が広がっている部分があるということです。
クリアランスが広がっているにもかかわらず、粘度を下げ、サラサラなエンジンオイルを入れるという行為は、エンジンの寿命を短くしてもおかしくありません。
年数が経った車の場合は、エンジンオイルの劣化が早くなったりします。
それはクリアランスが広がったことによって、エンジンオイルの1つの機能である密閉状態を保てていない可能性があります。
その場合は、エンジンオイルの粘度を上げることをおすすめします。
以上、今回は自動車エンジンオイルの粘度の見方と、温度や燃費との関係、そして、粘度の選び方を紹介しました。
基本的にはディーラーなどに任せておけば問題ありませんが、なぜそのエンジンオイルの粘度を選択したのかは確認するようにしておきましょう。

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